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学術集会

第13回石川腎不全看護研究会学術集会を終えて



第13回当番世話人
向出 美穂
(国民健康保険 小松市民病院)

 令和5年8月6日(日)、第13回石川腎不全看護研究会学術集会を終えることができました。対面による開催を目指しておりましたが、5類となった現在も終息することのないCOVID-19の感染状況を鑑み、やむなくWeb開催といたしました。学術集会当日はWeb開催特有のアクシデントにより、参加された皆様にご迷惑をおかけする場面がありましたことをお詫び申し上げます。
 今回の学術集会は、悔いの残る透析患者さんとの最期の別れを経験し、悶々としていた私が出会った概念「ACP (Advance Care Planning):アドバンス・ケア・プランニング人生会議」を臨床で実践するためのヒントを得るべく、『患者さんの価値観・意思を尊重した看護とは─ACP支援の実際─』をテーマに開催しました。
 基調講演では、慶應義塾大学医学部衛生学公衆衛生学教室講師、一般社団法人コミュニティヘルス研究機構機構長・理事長の山岸暁美先生にACPについて様々な方向から考える切り口として、腎不全患者における意思決定支援・ACPの医療・ケアチームの役割や意思決定支援教育プログラム(E-FIELD: Education For Implementing End-of-Life Discussion)研修、増加する高齢者救急搬送に係る地域包括ケア現場の課題、地域で紡ぐACPとして鹿児島県の取り組み、市民啓発としてACPのレディネス(準備性)を上げる取り組み等についてご講演頂きました。ACP支援は多方向から行うことも必要ですが、ACPは実臨床・日常ケアの中にあり、医療やケアのプロセス上の対話の中にあるとも忘れてはならないと学ばせて頂きました。
 シンポジウムでは、看護師、訪問看護師をシンポジストに招き『腎代替療法選択から終末期における患者さんの価値観・意思に基づいたACP支援の実際』をテーマに腹膜透析患者さんや血液透析患者さんのACP支援の実際についてお話し頂きました。患者さんの価値観・意思に基づいたACP支援に必要なことや課題が明らかとなり、ACP支援を行っていくための示唆を得ることができました。
 最後になりますが、共催頂きましたバクスター株式会社の皆様、学術集会の企画・運営にご尽力頂きました当研究会の世話人の皆様に、この場を借りて感謝を申し上げます。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

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