学術集会
第14回石川腎不全看護研究会学術集会を終えて
令和6年8月4日(日)に、第14回石川腎不全看護研究会学術集会を無事に終えることができました。今年度の学術集会は、今年1月1日に発生した能登半島地震を受け、災害時における透析治療の重要性と課題を共有し、今後に活かす必要があると考え、急遽テーマを「安心できる透析ライフのために~震災を経験して~」に変更し、Web形式での開催に切り替えました。震災により大きな被害を受けた能登地区の被災病院6施設の皆様をご招待し、多くの方々にご参加いただきました。
実践報告では、石川県透析連絡協議会事務局様、能登地区から市立輪島病院様、恵寿ローレルクリニック様より、地震発生直後からの現地での実際の取り組みや、県内医療機関の連携についてのご報告をいただきました。これにより、災害対策の重要性と震災時の課題を改めて認識することができました。
研究報告では、安田女子大学看護学部の二本栁玲子先生より「外来血液透析患者の災害への備えに関する研究」についての調査および研究結果をご発表いただきました。透析患者の高齢化や透析治療の重要性への理解不足といった課題を踏まえ、医療従事者側の備えの重要性について示していただきました。
セミナー講演では、金沢大学附属病院 腎臓・リウマチ膠原病内科/総合診療部の西岡亮先生、日本赤十字社医療センターの今井早良先生にご講演いただき、腹膜透析を含む腎代替療法に関する知見をさらに深めることができました。
シンポジウムでは、震災時における腹膜透析患者への対応について、珠洲市総合病院様、みずほ病院様、株式会社ヴァンティブ様よりご発表いただきました。腹膜透析の利便性や被災地のインフラにおける多くの課題、さらに医療従事者だけでなく企業による支援の重要性について学ぶ貴重な機会となりました。
今回の学術集会は、災害時における透析治療の継続の重要性と、そのための取り組みに伴う課題を認識する良い機会となりました。この学術集会が、より一層安心・安全な透析治療の実現につながることを願っております。
最後になりますが、第14回学術集会の開催にあたり、ご多忙の中ご参加いただいた皆様、共催いただきました株式会社ヴァンティブの皆様、そして学術集会の企画・運営にご尽力いただいた当研究会の世話人の皆様に、この場を借りて深く感謝申し上げます。今後ともご指導、ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
第14回学術集会 当番世話人
みずほ病院 大豊 千恵