学術集会
第4回学術集会を終えて
石川腎不全看護研究会第4回学術集会は、皆さまのご協力のもと、大盛況のうちに終えることができました。「透析患者が地域で生きることを支えるために」をテーマに、盛りだくさんの企画ではありましたが、腎不全看護に関わる多くの方々が集い、交流され、ひとつの夢を共有できたのではないかとうれしく思っています。
特に、午後のシンポジウムでは、県内でも地域ごとに違いのある看護実践の具体に触れ、フロアからの発言・質問はとても活発なものとなりました。「Face to Face」というキーワードも飛び出し、熱気のこもったやりとりが続きました。一見、利害関係が異なる施設間でも、直接顔を突き合わせて「患者さんのために」という目標を共有して話し合う中で、問題が解決していったという事例をいくつもご紹介いただき、参加者の意識とスキルの高さに感激しました。そのなかでわたしが痛感したのは、3つです。
ひとつは、こういった共通の問題意識をもった看護師のネットワークの重要性です。腎不全看護は、その専門性の高さゆえに関心を持つ看護師が少なく、自分たちの実践を評価する際の比較対象を施設内で持ちづらいという悩みがあります。石川腎不全看護研究会は、そういったみなさまの橋渡しができるよう、研修やHPなどによる情報提供を今後も続けていきたいとあらためて感じました。
ふたつは、看護師のモチベーションを維持させているものは、やはり患者・家族からの反応なのだ、ということです。現制度下での透析患者をめぐる地域連携・退院調整は、一様に困難を伴うものです。時間も、人も、経費も十分でないなか、看護師を奮い立たせていたのは「Face to Face」のなかでこそ得られる看護の実感でした。地域連携・退院調整後の患者・家族から直接反応を得られない部署・部門の看護師にも、きちんとそれが伝わるようなしくみが必要ということにも気づかされました。
三つめは、こういった透析患者の地域連携・退院調整が、意欲的な看護師のボランティアという位置づけであってはならないということです。地域連携・退院調整として結果を出している実践の背景には、多くの時間外活動が常態化していました。看護管理者は、この非常に高いスキルを必要とする看護実践をきちんと業務として位置づけ、マネジメントしなくてはなりません。県内の看護管理者と、このような意識を共有する機会をどのように持っていくかという課題もいただきました。
学術集会も会を重ねるごとに参加者のみなさまとともに成長させていただいていることを感じます。石川腎不全看護研究会は、今後ともみなさまとこのような機会を通して石川県の腎不全看護の向上に関わっていきたいと思っております。
最後になりましたが、第4回学術集会開催にあたり、一般・賛助会員のみなさま、ご協賛いただきました企業のみなさま、村本弘昭副院長をはじめとする金沢社会保険病院のみなさまに厚く御礼申し上げます。今後とも、よろしくご指導・ご鞭撻賜りますようよろしくお願いいたします。
石川腎不全看護研究会 第4回学術集会 当番世話人
金沢社会保険病院 諸江 由紀子
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