本文へジャンプ

研修会

2013年度研修会 透析導入にどう備える

 2013年度、石川腎不全看護研究会 研修会が9月22日、金沢医科大病院 新館12階 大会議室において開催され、県内外より42名の参加がありました。今回は「末期腎不全患者の透析導入にどう備える -身体評価と社会資源の利用-」というテーマで、講師に西村泰行先生、高澤和也先生、中本千賀子先生をお招きし講演していただきました。

 当日は、西村先生より糖尿病における血糖管理の重要性、高澤先生より食事管理と栄養評価、中本先生より社会資源の基礎的知識と活用方法について、とても具体的で分かりやすい講演でした。講師の先生方から共通して聞かれたのが「チーム連携」「個別的な支援」の言葉でした。腎不全患者をサポートするにあたって、チーム連携・個別的支援を行うには、どのように取り組んでいくか、あらためてその重要性と必要性を感じる研修会でありました。

 医療チームは、チーム間で目的と情報を共有し、必要な支援を患者に提供し、何か問題がある時は多職種間で連携・補完しあいます。現在、様々な医療現場で実践されていますが、どのように多職種間で情報を共有するかなどの問題があります。薬剤師や栄養士、理学療法士、MSWなどが各専門分野の説明・指導を行い、その後、患者がどこまで理解し、どのように生活するかなど、患者に最も身近な存在である看護師が確認・調整を行うことが重要ではないでしょうか。特に高齢化が進むなかで退院支援等においては、看護師のコーディネーター的役割が求められていると感じました。

 患者への個別的支援は、単に目に見える情報だけを頼りに指導などを行うのではなく、24時間の生活サイクル、平日と休日の違いなど、普段の日常生活について具体的な情報収集の把握が重要となります。そして、上から目線で一方的に知識を教え込むのではなく、何ができなくて、どこまでできるか。また、どのようなことに困っているかなど、患者の管理能力をアセスメントしながら、患者と共に考え、患者に合わせた指導を行わないと具体的な支援に結びつかないことを再認識する機会となりました。同時に、透析療法に関する知識をさらに深め、正しい情報を提供することの必要性を感じました。

 今回の研修会では、趣向を凝らし事前に参加者のグループ分けをさせていただきました。しかし、「グループディスカッションの時間が少なく感じた」「グループ間の情報の交流が少なかった」という意見をいただき、次回からの研修の課題であると思います。

 最後になりましたが、本研修会にご協力頂きました講師の先生方、共同開催をいただきました協和発酵キリン株式会社に厚く御礼申し上げます。

石川腎不全看護研究会 世話人
浅ノ川総合病院  余田 昭彦

 

   

ページの先頭へ戻る