研修会
2019年度研修会
『日常感じる疑問について考えよう』を終えて
10月27日に独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)金沢病院にて、2019年度石川腎不全看護研究会研修会を開催し、看護師49名に参加していただきました。
2019年度石川腎不全研究会事前アンケートを県内透析実施施設42施設に送付し、2019年7月~8月15日に回収し、32施設からの回答があった結果報告や4つ主要テーマについては、他の施設ではどのように看護ケアを行っているかを意見交換しました。そしてそれらのテーマについてはレクチャーや特別講演で講師の方々より基本や工夫など講義いただきました。
午前中の意見交換では「他の施設ではどうしているの」をテーマに「血圧低下・筋痙攣について」「かゆみについて」「透析に伴う痛みについて」「穿刺のポイント」について、参加者を8グループに分けて、4ブースを回って意見交換を行いました。
「血圧低下・筋痙攣」は、開始1時間後に腎臓リハビリを取り入れている施設もありました。栄養の改善を行うために栄養士の介入もありました。
「かゆみについて」はかゆみをアセスメントしていくために、かゆみスケールを使用し、看護師の患者への質問の仕方が一定となり評価しやすくなったこと、MEと透析効率カンファレンスを行うことも有効であることもわかりました。
「透析に伴う痛み」は、穿針の恐怖がないようにする工夫では、手を握り不安を軽減することを基本として、呼吸法や横隔膜療法などのリラックスできる方法や透析直前に穿針部位に貼るテープやクリームの活用がありました。新しい方法では、耳つぼに貼るテープで痛み刺激を軽減している施設もありました。
「穿刺のポイント」は、穿刺教育が大切であり、穿刺部のテープ固定方法や抜針後の対応についても話あいました。穿刺時にエコーを使用している部署もあり、今後増えていくことも予測されます。何よりも患者さんとの信頼関係が必要であることがわかりました。
各施設の新しい知見を知ることもできた良い機会になりました。
ランチョンセミナーでは、リン・カリウムの食事管理のポイントとCKD-MBDにおける薬物療法についてキッセイ薬品工業株式会社からの説明がありました。
午後はレクチャー「発生機序と対応」として、長瀬ゆか先生・向出美穂先生・松木理浩先生に講義いただきました。また、特別講演「穿刺のポイント」として、社会医療法人名古屋記念財団東海クリニック透析室看護主任の宮田江利子先生から講義いただきました。専門の看護師から透析看護の基本について、講義いただいたことで、基本を振り返り、また新たな知見を得ることができました。また、透析業務の中で、穿刺することのストレスがあり、うまく付き合うためにも、我慢しすぎないことや自信がない時は周囲にその気持ちを伝え、しばらく穿刺を控えるなどしてストレスとつきあうことも大切であることを共有できました。
私たち世話人一同は、石川の腎不全看護の質向上につながるような研修会の開催を今後も実施していきたいと考えております。皆様の多数のご参加を心よりお待ちしております。
最後になりましたが、本研究会研修会にご協力頂きました講師の先生方、共同開催をいただきましたキッセイ薬品工業株式会社様に厚く御礼申し上げます。
石川腎不全看護研究会
世話人 寺下 千恵
今回のプログラム
10:00~10:05 | 挨拶・趣旨説明 |
10:05~12:40 | 【意見交換】他の施設ではどうしているの? |
12:50~13:45 | ランチョンセミナー 1.透析患者さんのリン・カリウムの食事管理のポイントについて 講師:キッセイ薬品工業株式会社 ヘルスケア事業部 芳村 邦彦 2.CKD‐MBDにおける薬物療法 ~血清P、Ca、PTHのバランスの重要性~ 講師:キッセイ薬品工業株式会社 東海北陸支店学術担当 伊澤 純一 |
13:50~14:05 | 事前アンケート「透析業務:他の施設ではどうしているの?」結果報告 石川腎不全看護研究会 大田 一美 |
14:05~14:50 | レクチャー「発生機序と対応」 進行:太田 一美(加賀市医療センター)・大豊 千恵(みずほ病院) 1.血圧低下・筋痙攣について 講師:公立松任石川中央病院 長瀬 ゆか 先生 2.かゆみについて 講師:国民健康保険小松市民病院 向出 美穂 先生 3.透析に伴う痛みについて 講師:富山市立富山市民病院 松木 理浩 先生 |
15:00~16:00 | 特別講演「穿刺のポイント」 座長:磯 光江(石川県立看護大学) 演者:医)名古屋記念財団 東海クリニック 宮田 江利子 先生 |
16:00~16:05 | 挨拶 石川腎不全看護研究会 会長 森本 ゆかり |
意見交換の様子 |
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アンケート報告:大田さん |
レクチャー:長瀬先生 |
レクチャー:向出先生 |
レクチャー:松木先生 |
特別講演:宮田先生 |
会長挨拶 |